闇落ちSIerの日常

SIerのはずですがIT関係は少なめにほぼ愚痴。全て愚痴。

笑われるあの子

たまにウソの報告、誤った報告をしてくる後輩がいる。
この事実だけでいえば、彼は社会人として失格と判断されてしまうかもしれないが、今日の会議での様子を見ていると、こうなったのはあの上司が原因なのだろうと感じてしまった。

彼は進捗を報告するときに、「お客さんから提供された資料に軽く目を通したらこんな不具合がありました。」と資料の欠点を指摘/報告してくれた。その報告にウソもないし、他の人も参照する可能性がある資料だから、彼の行動は有益だったと思う。だが、それに対して上司は笑いながら「いや、俺らじゃなくてお客さんに伝えてよ」と回答した。笑いながら、といっても上司の性格から考えると、会議全体の空気を和やかにするため、空気を悪くしないためにあえて砕けた形で指摘したかったのだろう。指摘としても間違っていない、我々が知ったところで修正されなければ意味がない資料だからだ。だが、報告した彼からすれば嘲笑を受けたと思ってしまうだろう。実際、ばつの悪そうな顔をしていた気がする。

だから、彼は笑われないためにウソの報告というか、ぼやけた報告をするのだろう。行動としては間違っていると思うが、彼としては正しい事を報告したところで笑われてしまうのだから、身を守るために行動してしまうのだろう。とっさに身を守る行動なのだとしたら、正直仕方のないことだと思ってしまう。

ただ、突き詰めていけばウソの報告は困る。報告される側も困るし、結局彼も自分の首を締めているにすぎない。だが、とっさの行動だとしたら直すのは非常に難しい。ただ「ちゃんと報告しろ」というだけであれば、それは彼に「身を守るな」と言ってるだけであるし、環境が改善されない限り、悲劇は繰り返されるであろう。
かといって対して親しくもない上司に「あれ、嘲笑として受け取られかねないですよ」なんて差し出がましいことは言えるわけがない。

結局僕にできることがあるとすれば、会議後にメールで「指摘してくれてありがとう。こちらも参考にしていた資料なので助かります。」と後輩に伝えることしかない。写しに上司も添えつつ。彼の正しい行動を認めつつ、フォローしてあげている空気を出すことで上司も何か所作に問題があったのでは?と気がついてくれ、と願うのである。